ヘアカラーの「あれ」「これ」

今では当たり前になったヘアカラー。そのヘアカラーについて観ていきましょう。


ヘアカラーの歴史は古く、紀元前3000年前より始まり、当時は草木の樹液で染めるヘアカラーがおこなわれていました。


日本では、武将が出陣前に白髪染めをしていたという記述 【武将 斎藤実盛】もあり、古くより身だしなみに日本人の心は向いていたようです。





平安時代では、白髪染めは約10時間を必要としていました!!


…そんなに待てませんね!!


それから時代はすすみ、明治30年代に【志ら毛赤毛染君が代】が一般向けに販売されました。


日本では【志ら毛赤毛染君が代】が最初のセルフカラーといえます。


しかし、所要時間は2~3時間とかかり、まだまだ扱いにくい感じです。


その後、大正にに入り【過酸化水素】がもちいられ、ヘアカラーの所要時間は20分前後になり、生活にストレスなく密着することになっていきます。


1980年代には、現在のカラー剤の仕組みと同等のものとなり、1990年代中頃よりヘアカラーは一般の人にも主流となりました。


1995年頃より、安室奈美恵さんに影響を受けた女性たち『アムラー』の出現により、若い方のヘアカラーは爆発的に増えていきました。


そして、1990年代後半では、浜崎あゆみさんの人気もあり、よりヘアカラーのブームは決定的になりました。


その後も、数々のアーティストさん、女優さんの活躍が後押しとなり、2005年には20代の70%がヘアカラーをしている時代となりました。



今後は日本の平均年齢も増し、それにともない白髪染めは増え、ますますヘアカラーの需要は大きいものとなります。

ヘアカラーの性質と種類

ヘアカラーでは2つの薬品を混ぜることで染色効果を発揮する【永久染毛剤】がもっともポピュラーなタイプで多く出回っています。


なぜか??


【永久染毛剤】が選ばれる理由は、カラーバリエーション(色味の種類)が多く好みや個性が出しやすく、しっかり染まり色持ちも約2カ月と長持ちだからです。



では、その他のカラー剤はどんなものがあるのでしょうか?

半永久染毛剤(酸性染毛料)

半永久染毛剤(酸性染毛料)は、よく言うヘアマニキュアです。



ヘアマニキュアは、髪へ染料をコーティングします。


髪の表面のみに色を吸着させるため、髪へのダメージは無く、化粧品登録でかぶれにくいカラー剤です。

ヘナカラー

ヘナカラーは植物性のカラーで、植物由来の天然成分で染めるため、髪と肌への負担が少ないカラー剤です。


硫酸銀カラー(光で染まるカラー)

硫酸銀カラーはジアミン・アルカリが含まれず、硫酸銀という主成分が光源に反応することで、髪が染まって見えるカラー剤です。



さらに細かく分かれますが、この4種類がメジャーなヘアカラーです。


そして、身近・頻繁になるほど『安心・安全』は最重要のテーマと言えます。


しかし近年ではアレルギー体質の方も多く、薬品を使うヘアカラーはリスクとの闘いとなってきています。


では、ヘアカラーでのアレルギーについて見ていきましょう。

ヘアカラーでの刺激

ヘアカラーは薬品を使うことで、人により頭皮がかぶれを起こすことがあります。


頭皮かぶれでは大きく【刺激性接触皮膚炎】と【アレルギー性接触皮膚炎】に分かれます。

「刺激性接触皮膚炎」

刺激性接触皮膚炎は、皮膚に薬品等の物質が直接つくことで痛みを生じます。


カラー剤塗布直後からヒリヒリ・チクチクといった表現であらわされるような刺激をすぐに生じます。

「アレルギー性接触皮膚炎」

アレルギー性接触皮膚炎は【遅延型アレルギー】とも呼ばれ、字のごとく時間差があって皮膚に影響が出ます。


ヘアカラーの施術を終え、早ければ数分後からかゆみを生じ、その後3~4日はかゆみが続きます。


接触性皮膚炎についての記事↓↓
【【MSDマニュアル家庭版】】

ある日始まる

「ある日突然起こる」のがアレルギーの特徴です。


一度その物質に対するアレルギー反応が起こると、一生涯その物質には反応しやすい体質となります。(ジアミン等)

厚生労働省では

厚生労働省のホームページでも【毛染めによる皮膚障害】と題した記事が掲載されています。
【毛染めによる皮膚障害】

厚生労働省の調査では

厚生労働省の2016年の調査では「国民の3人に1人はアレルギーの気質がある」と発表しています。
【厚生労働省 アレルギー疾患の現状等】


比較的若年層に多い傾向で、厚生労働省の調査では0歳~14歳で40%以上になっているとされています。


直接の因果関係でないにしても、こういったアレルギーの気質をもった方が大人になり、ヘアカラーをおこなうことでアレルギー反応が出やすくなったいるのも事実です。


肌(頭皮)整えていくために

ヘアカラーの刺激について見てきましたが、ここからは【食事・睡眠】について触れていきます。

肌のバリア機能

肌は古来より人間を守るために様々な機能を持っています。肌は、【表皮・真皮・皮下組織】の三層からなり、守るバリア機能は【表皮】の担当です。


表皮には大きく【角層・角質細胞・基底層】の三層からなります。角層が硬いシャッターの役割をはたし、基底層が紫外線をバリアし、メラニン色素を作っています。


角質細胞はラップほどの薄さですが、角層と基底層をつなぎバリア機能を高めています。


表皮のバリア機能は【化学的刺激・物理的刺激】を防いでいます。バリア機能が弱まってしまうと、刺激に弱くなり外からの異物侵入をゆるしてしまいます。

シャンプーに気を付けて

肌(頭皮)のバリア機能と大きく関わっているのが【シャンプー】です。シャンプーの目的は、【頭皮と髪を洗浄し、健やかに保つこと】です。



平たく言えば、シャンプーの目的は、【いらないものをキレイに取り除き、清潔に保とう!!】ということです。


ですが現在は数多くのシャンプーが存在し、目指す方向も違えば、仕上がりも違います。


また、使い方も洗い方も人それぞれです。


【基本的なシャンプーの使い方】
➀シャンプー前に予洗い(すすぎ)をしっかり行います(プレーンリンスとも言います)
理想としては、38℃前後のお湯で約2分程度しっかり地肌までお湯が行き届くようにすすぎます。


➁泡をしっかり立てる
シャンプーは手に取り、お湯を少しずつ足していき髪全体が泡で覆われるようにやさしくしっかり泡立てます。ちょうど洗顔のようなイメージです。


➂洗いはやさしく
泡立ていよいよ洗いに入ります。洗いに関しては声を大にして言います!!力を入れすぎてはNGです!!


洗い加減を説明するとき、【新しい桃をキズつけない程度の力で】とお伝えしています。


なぜ?


基本的には、髪の汚れの7割はお湯でおちます。シャンプー剤で残り3割をおとし、バランスの良い髪に仕上げます。


力を入れすぎて洗うことでこれから生えてくる毛をごっそり取ってしまい、肌にも細かいキズを無数に作ってしまいます。


ですから、やさしく洗うことがとっても大事なんです。


➃すすぎもしっかり
洗い終わった後に、シャンプーやコンディショナー残りはフケにつながるばかりか、肌トラブルにもつながりかねません。


最後のすすぎも丁寧におこなってください。きっと仕上がりは違ってきます。


そして、シャンプーの洗浄力にも気を配ってください。


高洗浄力のシャンプーの場合、必要以上に皮脂を取りすぎかえって頭皮と髪にマイナスです。


残念ながら、知らず知らずこのように高洗浄力のシャンプーをお使いの方は多いものです。40代以上の女性の髪は非常に繊細です。あなたに合ったシャンプーをキチンと選んでください。


シャンプーの代表的な成分から洗浄力順に簡単にあげておきます。

石油系>石けん系>アミノ酸系>ベタイン系


目的に合わせて選び正しくお使いください。

皮膚の入れ替え

あなたもご存じのように、新しく皮膚が入れ替わっていくことをターンオーバーといいます。ターンオーバーは、40代で約40日かかると言われています。


ターンオーバーが遅いとキズの治りが遅れ、ターンオーバーが早すぎると未熟な皮膚を表面にだしてしまい、皮膚自体が弱くむけやすくなってしまいます。





頭皮でいえば、女性に方に意外と多い事例があります。


先ほど【洗い方】で触れた力の加減が強すぎる方が多いのです。


そして、1日に最大で3回も洗う方もみえます。この【洗う力が強い】【洗う回数】は頭皮のバリア機能に大きな影響を与えます。

頭を洗う力が強くないですか?

洗う力が強いとき、外的刺激から肌を守るバリア機能はすっかり皮脂膜と共に剥がれおちます。そして摩擦により細かなキズがつきます。この頭皮の細かなキズはやがて大きな肌荒れのもととなっていきます。

洗う回数、多くないですか?

洗う回数が多いとき外的刺激から肌を守るバリア機能は、幾度も洗浄されることで油分(潤い)をすっかり失い、頭皮・髪ともに乾燥が進みます。


市販品のシャンプーの中には非常に強い洗浄成分を使っているものもあり、使えば使うほどダメージをともないます。


乾燥のひどい頭皮はひび割れ、部分部分で敏感肌化し、外的刺激に対応できなくなります。

肌荒れを防ぐ洗い方

基本は【皮脂を取りすぎない】ことです。多くの場合、使い方が過剰であったり、合わないアイテムを使っていることがほとんどです。


一年の中で季節の変わり目や乾燥のしやすい冬場は特にデリケートになりがちです。


肌荒れを防ぐにはまず【1日1回以上洗わない事】、そして【洗浄力が穏やかなシャンプーを使う事(髪質に合っていて)】です。


次に、乾燥がひどい場合は【お湯のみで洗う日をつくる事(2日に1回はお湯のみで、シャンプー自体を使わない日をもうけます)】。
お湯のみの洗浄でも70%の汚れはおとせます。


【1日1回以上洗わない事】【洗浄力が穏やかなシャンプーを使う事】【お湯のみで洗う日をつくる事】この3つが当たり前ではありますが肌荒れを防ぎ、【皮脂を取りすぎない】洗い方です。

睡眠

肌はその再生に約6時間の睡眠を必要とします。その6時間の中でも就寝後2~3時間が特に成長ホルモンが多く出されます。サーガディアンリズム説によれば、夜10時~深夜2時が肌にとってステキな時間とされています。


そのため、スマホ見ながら寝おち…的な脳を活発化してプツッと寝るのはNGです。


就寝前30分~1時間前には明かりをおとし眠る準備をしていきます。これによりメラトニンは分泌され眠りの段階に入ります。




睡眠は時間より質

睡眠中は【レム睡眠(浅い眠り)】と【ノンレム睡眠(深い眠り)】が1時間半おきに起こります。


レム睡眠時に目覚めに適しており、ノンレム睡眠では就寝に向いています。そのため3時間おきの睡眠時間がより質を高めるといえます。



人それぞれですが、3・6・9時間といっいた具合に時間調整するといいでしょう。

食事

食事はバランス良くを心がけ、βカロテン・鉄・ビタミンA・タンパク質摂取ににつとめたいものです。


緑黄色野菜に含まれるβカロテンは抗酸化作用があり、皮膚の強化につながります。ほうれんそう・にんじん・モロヘイヤ・パセリ・バジル・トウミョウなどに多く含まれます。


また、抗酸化作用ではアスタキサンチンが素晴らしい成績です。



アスタキサンチンは、シャケ・エビ・カニなどの赤い部分に含まれる成分でビタミンEの1000倍の抗酸化パワーです。


また、鉄は血行を促進し乾燥性の肌に有効です。納豆・小松菜・枝豆・そら豆・大豆・ほうれんそう・干しひじきなどに多く含まれます。

そして、ビタミンAは肌荒れ・老化防止に有効です。カボチャ・春菊・大根の葉・ミニトマト・赤パプリカなどに多く含まれます。


そして、タンパク質は野菜・肉など様々な食品でとることができ、不足してしまうと肌の不調の原因になります。



βカロテン・鉄・ビタミン・タンパク質の摂取につとめましょう。


最後にカフェインについて。


カフェインは正しく適量を摂取するぶんには健康に良く、医薬品に使用されるほど安定しています。しかし、過剰な摂取では、不眠・不安・イラ立ち・頭痛・焦燥感(しょうそうかん)の原因になりかねます。


よって、就寝前にカフェインを取ることは神経を高ぶらせ眠りに大きく影響します。就寝前はカフェインを避け【ルイボスティー】などの香りの高いものを。




ルイボスティー

南アフリカでしか収穫することができず【不老不死】【奇跡のお茶】と評させるほど古来よりその力は有名です。Tie2という物質を含み老化防止や血流のUPが見込め、ミネラル分をバランスよく含んでいます。


頭皮の状態解説

ここでは、頭皮の画像をもとに解説していきたいと思います。

健康なタイプ

40代のAさんの頭皮です。





頭皮は青白色~黄色の健康な状態の頭皮といえます。油分も適度にあり、バリア機能が保たれています。

荒れやすいタイプ

60代のOさんの頭皮です。





40代からのお付き合いのOさんですが、その当時より乾燥肌で水分油分の少ない頭皮をされていました。頭皮は黄色~赤褐色の状態で少しお疲れ気味です。


水分油分は全体にバラツキがあり、少ないところは皮膚がめくれている状態です。赤丸内の部分が刺激を受けやすい状態です。

見た目でわかりにくいタイプ

40代のSさんの頭皮です。





頭皮の色は全体に黄色で一見して頭皮のコンディションはよく見えます。


しかしSさんはカラー剤に弱いタイプです。


このようにパット見キレイな頭皮の方でも刺激や肌荒れを出すタイプの方もみえます。


目視で判断できない場合は、当たり前ですがしっかり問診して見おとしのないようにしていきます。




オーガニックへの道

一般的に普及しているカラー剤は2タイプです。【永久染毛剤】(一般的なヘアカラー)と【半永久染毛剤】(ヘアマニキュア)です。


この【永久染毛剤】【半永久染毛剤】は結果もわかりやすく、効果や使用感から広く一般的といえます。


最近ではヘアカラーも【オーガニック】の考え方が色濃くなり、より安心して安全に使うため日々メーカーさんが開発に取り組んでいます。

オーガニックとは?

一般的なオーガニックの定義をスッキリまとめて一言でいえばこれ↓
過去3年間、合成化学物質(農薬・化学肥料)などの禁止物質を使用せず、生産した農産物。


光(太陽)・水・大地の自然の恵みを活かした生産といってもいいでしょう。

オーガニックカラー

ではでは、オーガニックってどんなカラー?当店ではオーガニックカラーのVilla Lodola(ヴィラロドラ)カラーを採用しています。

Villa Lodola(ヴィラロドラ)カラー

Villa Lodola(ヴィラロドラ)カラーは、イタリアのオーガニック認定機関ICEA(イチュア)の認証をえたカラー材です。


特徴

アレルゲンとなりうる【シリコーン】【パラベン】【パラフィン】【ラウリル硫酸ナトリウム】【パラフェ二レンジアミン】を使用していません

動物由来の原料は使用していません

遺伝子組み換えの原料は使用していません

全ての原料は可能な限り生分解性に優れたものを使用しています

成分の92%天然由来成分です


頭皮や髪に優しく、地球環境にも配慮したヘアカラーです。


Villa Lodola(ヴィラロドラ)

まとめ

吉尾 周城吉尾 周城

ここまで「カラー剤の特徴」「カラー剤で出やすい皮膚炎」「肌のバリア機能」「シャンプー」「睡眠」「食事」「頭皮の解説」「オーガニックカラー」について視てきました。


1つ1つ1日1日の組み合わせで人の皮膚ができあがり、バランスのとり方次第で良くも悪くもなります。また、その日の体調や頭皮の状態でも刺激の出方は異なります。


自身の身体と相談することも大切なポイントです。そして、身体に良い事はどんどん取り入れて試すこと、悪い習慣は見直し規則正しい生活をおくり肌を整えていくことが重要です。


ストレスの多い時代だからこそ1日に1回でもホットすることで、心も身体の緊張をといてあげてください。